けんせつ神奈川644号・2023年11月5日
2023/11/21
10・6生活危機突破集会 物価高騰から県民の仕事とくらしを守ろう
なくすな保険証!! 上げよう賃金
インボイス廃止! 軍拡増税を許すな
神奈川土建が加盟する神奈川県建設労働組合連合会は10月6日、圧倒的な賃上げと保険証廃止反対などを求めて関内ホールで生活危機突破集会を開催しました。集会終了後に要求プラカードを掲げてアピールパレードを行い、仲間から託された請願書名を県庁に提出しました。
資材物価、ガソリン価格の高騰により、仲間の仕事とくらしをめぐる状況は日々厳しさを増しています。大手建設資本が掲げる賃上げ方針は下請の私たちには届いておらず、インボイス制度の導入により、非課税事業者は取引から除外される恐怖におびえています。また、マイナ保険証への一本化政策により、私たちの命綱である建設国保の保険証が取り上げられてしまう危機に直面しています。また、大軍拡と子ども・子育て予算の倍増に必要な財源に消費税増税が狙われています。一人ひとりで弱い立場にある労働者から搾り取ろうという悪だくみが透けて見えます。
仲間の切実な要求は労働者、生活者の権利を補償する当然の願いであり、決して過大な恩恵を求めている訳ではありません。額に汗して働いた技能者が受け取るべき正当な報酬が減額され、すり切れるまで働かされる現状をこのまま放置していたら、建設産業の未来は決してありません。
物価高などで厳しい生活を強いられている国民をよそに、財界とアメリカのご機嫌ばかりうかがう岸田政権に不満が噴出しています。政権選択選挙に勝利し、政治を国民の手に取り戻さなければ、巧妙に仕組まれた悪のループを断ち切ることはできません。
仲間の声を県に届ける
個人請願署名2万1140筆を提出
アピールパレードでは「なくすな!健康保険証」を統一テーマにしたデコレーションコンクールが開催され、色とりどりに仮装した行列が秋晴れの街道を行進しました。神奈川土建本部はハロウィンの衣装に身を包み「お化けより怖い保険証廃止」と気勢を上げました。
厚労省の社会保障審議会医療保険部会は9月29日、マイナ保険証を医療機関の窓口で用いた際に本来の自己負担割合と異なって表示される事例が全国で5695件に上ったと発表しました。厚労省は間違った金額の請求があった可能性は否定できないとしながらも、最終的なレセプト審査では正しい負担割合で処理されていると開き直りました。患者と医療機関の信頼関係を崩しかねない事態への認識不足が大いに批判されました。トラブル続きで完全に国民の信用を失ったマイナ保険証の利用率は、ついに5%を大きく割り込みました。
第78回企業交渉
安全対策と処遇改善を追及 仲間の命と健康を優先した工期設定を!
全建総連・関東地方協議会連絡会は10月19・20日を中心に、ゼネコン28社、住宅企業8社、サブコン4社の計40社と第78回大手企業交渉を行いました。交渉に向けて280の現場情報が仲間から寄せられました。23年賃金アンケートの集計結果は、依然として横ばい状態であり、業界団体が進める賃金5%上昇目標の実感は、物価高騰も重なり得られていません。元請企業全社に技能労働者の大幅な処遇改善と安全対策徹底を求める交渉となりました。
春に引き続き、物価高騰・資材高騰の中での交渉となりました。下請事業者がエネルギー価格や原材料費、労務費などを適正に請負単価に転化するための再協議、抜本的な単価引き上げと技能労働者の賃金引上げ策を求めました。あわせて下請にしわ寄せがいかない工期設定や4週8閉所、CCUS普及、建退共促進を要請しました。
賃金・単価引き上げについては、日本建設業連合会が提唱する年収6百万円を達成する実効策を強く求めました。仲間の追及に対し、下請間と直接雇用している事業所の問題を持ち出して交渉を混乱させる企業もあり、元請事業者として業界を発展させていく姿勢を疑いたくなる場面もありました。私たち労働組合は、技能労働者が育っていく環境、処遇を整える責任が元請企業にあると再三再四にわたって追及をしていますが、引き続きこの点を強調して担い手確保・技能継承の要求を強く求めていきます。
安全対策の問題では、東京・八重洲死傷事故を起こした大林組に対し、その責任と直接的な原因究明、根本的な原因究明を明らかにするよう厳しく糾弾しました。大林組からは事故を起こしてしまったことへの謝罪と今後の調査とその対応が述べられましたが、現在も調査中であること口実に事故原因の詳細報告は時期を見て公表していくとの回答に留まりました。
来春以降の交渉も引き続き、賃金単価引き上げを中心とし、その具体策を求める交渉を実施していきます。
米空母横須賀配備から50年
横須賀を出撃拠点にするな!
原子力空母いらない!横須賀集会が10月1日、横須賀支部ヴェルニー公園で開催されました。米海軍横須賀基地に空母が初めて配備されてから今年で50年を迎えます。空母艦載機の墜落や騒音被害をまきちらし、今も平和と安全を脅かしています。
米横須賀基地に空母が入港してから半世紀がたちました。世界で唯一の空母の海外母港という、異常な状態は今も放置されたままです。米海軍は11隻の空母を保有していますが、横須賀に配備されているロナルド・レーガンを除く全てが米本土に母港を置いています。横須賀には空母の他、第7艦隊の旗艦やミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦など計13隻が配備されています。また、岩国基地には艦載機が置かれ、米海軍の威嚇行動の一大拠点となっています。
集会で情勢報告に立った山添拓参院議員は、原子力空母の出港が7回も延期され、原子炉トラブルを心配する声に外務省はまともに理由を説明しないと批判しました。